瑞龍寺に行ってきました。

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皆さん、富山県高岡市にある瑞龍寺をご存知でしょうか。富山県唯一の国宝で、加賀藩二代目藩主前田利長の菩提寺として1663年に建立されたお寺です。先日、鯖江のプロジェクトで福井に行った際に、足を延ばして訪れました。私たちも早稲田大学芸術学校校長の赤坂喜顕先生から教えていただき、初めて知ったお寺です。(写真は最初にある総門)

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とても美しいお寺なのですが、まず、配置がとても興味深いのです。入り口の総門をくぐると手前に白い玉石の敷かれた庭と奥に一面芝生で覆われた緑の庭があり、中央の軸線上(東西軸)に山門、仏殿、法堂と配置されています。この、白い玉石の空間から山門をくぐって緑の芝の空間へ移動するときの体験は、とても素晴らしいものでした。全体の配置はシンメトリーで静的ですが、体験は劇的です。

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奥の芝の庭は、周囲を回廊で囲われています。一般的にお寺の回廊は吹きさらしのことが多いいのですが、北陸の豪雪地域であることから、瑞龍寺の回廊は可動建具で仕切られています。この回廊がまた素晴らしい空間になっています。

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この美しい芝の中庭は、建立当初は松の木などが植えられ、地面も芝ではなく、土だったそうです。昭和60年から約10年間の大改修の際に、中庭の松を外に移植し、西洋芝を一面に植えたそうです。この改修の素晴らしさに感嘆しました。建物の案内をされているご老人も、この改修の素晴らしさをお話されていて、高岡の方々がこのお寺を大事に、そして誇りに思っておられることがよくわかりました。

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この可動建具は、半分が障子、その外側に引違いの木板の雨戸がついています。雨や雪になるとこの雨戸を閉めるそうです。この日は、天気が良かったので、障子を半分だけ開けて、美しい立面のリズムをつくっていました。

高岡は東京からは結構な距離なので、なかなか、特別な用事でもないと行くことも少ないかと思いますが、もし、お近くに行かれる場合には、ぜひ、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

帰りは、富山駅から北陸新幹線「かがやき」で帰京しました。富山から大宮まで停車駅は長野のみで、1時間40分程度。思ったより早かったです。

それにしても、朝5時に事務所を出て、東海道新幹線「米原」経由で福井に行き、プロジェクトの打ち合わせをして、レンタカーで高岡へ、富山から大宮経由で帰ってきた弾丸ツアーな1日でした。富山駅前で食べた夕食のお魚のフライがとっても美味しかった!