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築27年中古マンションのスケルトンリフォームである。施主は30代ご夫婦と小さなお子さん一人であり、中廊下に個室が並ぶ2LDKの間取りから、広々と暮らされたいとのご希望を受け、個室で空間を仕切っていかずにいくつかのスペースのある空間を提案した。コストを押さえながら空間の特徴を出すために、柱と梁を現しにして、それらの位置と合わせながらコンクリートブロック壁を3枚加えた。壁は外壁まで達していないので回遊性があり、カーテンの取り付け方ひとつで様々な使い方ができるプランである。がらんとした竣工状態からカーテンがつき、家具が入った部屋で小さなお子さんが笑顔でぐるぐる走り回る姿を見て、シンプルでありながら自由に可変できる豊かな空間であることを感じた。

 

304HP用

 

 

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玄関土間部分には、手洗器を設けています。帰宅してすぐ手を洗ったり、サーフィン用具の手入れに使用したりします。

 

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各スペースの間仕切りは既存のコンクリートに合わせてコンクリートブロックを使用しています。

 

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ウォークインクローゼットスペース。通路部分はお施主さまがご自分でカーテンで仕切ることになっています。

 

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南東両面のバルコニーに面した寝室。床はウールカーペット敷きとして、子供がゴロゴロできるようにしています。

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キッチンと浴室の壁はラワン合板で家具のように仕上げています。

 

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代々木上原のリノベ

築33年の中古マンション3階建ての最上階のスケルトンリフォームである。構造が壁式構造のため、スケルトンになった室内は2枚の躯体壁によってはっきりと3つの空間に仕切られていた。施主は家全体が見晴らしのよい空間になることを希望されており、また、片付けのしやすい収納が必要であったため、雑壁は極力つくらずに物を収納する家具を置くことによって、全体をゆるやかにつなげながら、それそれのスペースをつくる計画を提案した。空間をシンプルに広く見せたかったため、仕上げの種類を減らし、躯体の壁2枚は左官仕上げ、躯体壁と同方向の界壁は鮮やかな色で塗装することによって、壁がレイヤのように重なって見え、家の端から端までを感じられる奥行きのある空間となった。

 

HP用平面図

 

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既存コンクリートの壁を跨ぐように設置されたシナ合板の収納家具。一番奥の壁はブルー色に塗装。

 

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収納家具のリビング側には鏡が設置されています。ダンスの練習をしたり、姿見に使用したりします。
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 書斎。ブルーに塗装された壁面には可動棚が壁面いっぱいに設置されています。

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洗面スペースからトイレ方向を見る。奥にあるトイレにも自然光が入るように、欄間ガラスなどを効果的に利用しています。

 

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玄関はテラコッタタイル敷き。上部は欄間として天井を連続させ、拡がりを作り出しています。

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奥様専用の化粧スペース(手前)からキッチン方向(右奥)をみる。床はミャンマーチークの無垢材です。

駒場東大前のリノベ

築40年の中古マンション1階のスケルトンリフォームである。解体前は、暗い中廊下の3LDKであったが、最大の特徴は、西南側の四季折々の樹木が楽しめる約130㎡の専用庭だった。新しい計画は、庭にあこがれて部屋を購入されたご夫婦のために、庭を最大限内部に取り込めるように各部屋を配置し、玄関周りに全ての収納をまとめた。また、ペットが自由に動けるように、寝室の引き戸を開けることで全体が回遊性のある一室の大きな空間となるようにした。お料理好きなご主人のためのキッチンとお風呂好きな奥様のための浴室を南側の庭に配置し、暗くなりがちな水廻りを明るく風通しのいい場所にすることでお施主様のご希望に応えた気持ちのよい家になったのではないかと思う。

 

横野邸HP用図面

 

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エントランスより和室(右)を見る。通路部分の左側は壁面全体が収納、右側はカウンター状の収納家具。この通路部分でかなりの収納力を確保。

 

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和室からリビング方向を見る。床はパイン無垢材。和室は可動間仕切り建具で仕切ることが可能。

 

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専用庭に面したオープンキッチン。床はテラコッタタイルで外に近い雰囲気を演出。キッチンはステンレスバイブレーション仕上げのカウンタートップ。

 

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専用庭に面した洗面室と浴室。1600mmの長さのゆったりした浴槽。床は冷たくないサーモタイル。