神奈川県と福井県鯖江市に拠点がある企業のサテライトオフィス+宿泊室+納屋の計画 。年間の1/3程度の期間、神奈川よりスタッフが鯖江に赴き、1週間程度宿泊しながら業務を行う。本計画では、左記の機能の他、スタッフが使用しない期間の施設利用の 検討、将来的な住宅利用への対応、多雪地域であることから、雪下ろしの必要ない無落雪型の建物とすることが求められた。周辺は北陸地方特有の切り妻屋根の木造民家が多く建ち並び、昔ながらの町並みを色濃く残す地域である。無落雪屋根はRCの陸屋根 とすることが容易であるが、上記の町並みの中では好ましくないと判断し、木造切り妻屋根を踏襲して無落雪屋根を実現することとした。結果として現れた木造軸組みの骨格は、様々な使い方を許容できる力強くおおらかな空間を内外に創り出している。
南側道路外観。2m張り出した庇は方杖によって支えられています。外壁は杉材の縁甲板です。
エントランスからホールを見る。床はナラの無垢材です。壁は針葉樹合板による真壁構造。柱と梁をすべて現しとしています。
1階事務室。
1階多目的室。天井の梁が庇まで連続することで、拡がりを感じることができます。
2階ホール。中心には換気と採光のための塔屋があります。
2階個室。個室は畳敷き。
2階個室。欄間ガラスによって天井が連続し、拡がりを感じることができます。
2階ホール。
1階納戸。約8mの天井高さがあります。トラックが直接入れる広さを確保しています。
建築概要
所在地:福井県鯖江市
用途:事務所
構造/規模:木造/地上2階
敷地面積:444.54㎡
建築面積:250.41㎡
延床面積:286.52㎡
竣工年月:2018.05
構造設計:多田修二構造設計事務所
施行:安藤建設
写真:鈴木研一
掲載:Architecturephoto.net