アリエは、横浜から特急で一駅の二俣川駅から程近い住宅街に建つ単身者やDINKSのための集合住宅である。施主は空家となった実家の土地(約73坪)に集合住宅を計画し、建物の長期的な活用を見込んで将来的なプラン変更や戸建住宅への転用を希望された。敷地分割、規模、構造、収支の検討により、敷地は南北に2分割し、地上2階(木造一部RC造)の2棟建て(各棟4住戸)とした。小規模で集合住宅的でない外観は周囲の風景と調和し、跳出しスラブの軒下空間はテラスや共用通路が緩やかに繋がり、住人の暮らしが自然と外部にはみ出る空間となった。2棟の避難通路を一体化することでアプローチ空間はまちに繋がるみんなの庭となった。
南棟から北棟をみる。1階はRC造で900mmの庇部分が片持状に跳ね出しています。その庇の上に木造の2階部分が乗っています。軒下部分は1階住戸の玄関庇になったりしています。
みんなの庭中央から北棟をみる。
2階玄関。
S-A住戸内観。1階の住戸は天井はRC打ち放し、壁はラーチ合板。天井が250mm厚のコンクリートなので、上部住戸の音は全く気になりません。
N-B住戸内観。正面は専用庭。専用庭にはコンクリートのベンチもあります。
2階N-C住戸内観。2階の住戸は木造の暖かさが感じられるように、柱・梁を現しにしています。インナーテラスもあります。
S-C住戸。2階住戸はロフトもあり、収納も十分に確保できます。
建築概要
所在地:神奈川県旭区二俣川
用途:共同住宅
構造/規模:木造一部RC造/地上2階
敷地面積:北棟:129.07㎡ 南棟:114.32㎡
建築面積:北棟:59.94㎡ 南棟:59.13㎡
延床面積:北棟:99.96㎡ 南棟:97.53㎡
竣工年月:2018.03
構造設計:Frameworks
施行:大同工業
写真:鈴木研一
掲載:日経アーキテクチャー2018年8月23日号、architecturephoto.net(http://architecturephoto.net/68671/)
受賞:2018グッドデザイン賞