2018グッドデザイン賞 ALLIER(アリエ)

アリエは、横浜から特急で一駅の二俣川駅から程近い住宅街に建つ単身者やDINKSのための集合住宅である。施主は空家となった実家の土地(約73坪)に集合住宅を計画し、建物の長期的な活用を見込んで将来的なプラン変更や戸建住宅への転用を希望された。敷地分割、規模、構造、収支の検討により、敷地は南北に2分割し、地上2階(木造一部RC造)の2棟建て(各棟4住戸)とした。小規模で集合住宅的でない外観は周囲の風景と調和し、跳出しスラブの軒下空間はテラスや共用通路が緩やかに繋がり、住人の暮らしが自然と外部にはみ出る空間となった。2棟の避難通路を一体化することでアプローチ空間はまちに繋がるみんなの庭となった。

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南棟から北棟をみる。1階はRC造で900mmの庇部分が片持状に跳ね出しています。その庇の上に木造の2階部分が乗っています。軒下部分は1階住戸の玄関庇になったりしています。

 

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みんなの庭中央から北棟をみる。

 

 

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2階玄関。

 

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S-A住戸内観。1階の住戸は天井はRC打ち放し、壁はラーチ合板。天井が250mm厚のコンクリートなので、上部住戸の音は全く気になりません。

 

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N-B住戸内観。正面は専用庭。専用庭にはコンクリートのベンチもあります。

 

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2階N-C住戸内観。2階の住戸は木造の暖かさが感じられるように、柱・梁を現しにしています。インナーテラスもあります。

 

 

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S-C住戸。2階住戸はロフトもあり、収納も十分に確保できます。

 

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GD2017BEST100 KUGENUMA TORICOT

賃貸はすべてメゾネットで、1階のRC部分と2階の木造部分の空間に住まうことができる。3つの住戸は、テラスを挟んでお互いに向き合っており、テラスはひとつながりになっているが、向き合わない窓の位置でそれぞれのスペースがゆるやかに分けられている。目の前の鵠沼商店街は水着を着て通る人がいたり、店先でお酒を飲むようなカジュアルな街なので、通りから見てもよく、住人が休んでいてもよいような視線が抜ける開放感のあるテラスとした。

 

住戸C

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住戸D

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住戸E

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GD2017BEST100 KUGENUMA TORICOT

小田急線鵠沼海岸駅の商店街に建つ賃貸+オーナー邸の計画である。1階にそれぞれの入口を持ち、賃貸は1階と2階のメゾネット、3階はオーナー邸である。RCの基壇の上部に陸屋根と切妻屋根の2つの木造住宅を乗せたような形態で、2棟に挟まれた空洞部分には賃貸のテラスと上部にオーナー邸のブリッジがあり、共有の吹き抜け空間である。オーナー邸の3階は、陸屋根側にリビングがあり、切妻側に仕事部屋と寝室がある。2棟をつなぐブリッジ部分はダイニングになっていて、カーテンをあければ視界は街にダイレクトにつながる。施主は自宅で仕事をする時間があるため、空間性の変わる2棟を行き来することで気分転換になったり、陸屋根に上がって江ノ島の灯台まで見える景色を眺めることで、鵠沼海岸ならではの開放感を味わうことができればよいと思った。

 

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2012グッドデザイン賞 Tokyo Cottage

敷地周辺には、都心では比較的広い庭を持つ戸建て住宅と木造賃貸アパートが混在している。周辺に建つ木造2階建てアパートは、いわゆる片廊下型のワンルームタイプで決して良い住環境とはいえないものが多い。本計画では、ワンルームアパートの画一的なプランや空間構成を見直すため、その面積を2層に分けて重ね、1住戸を2階建ての「小さな家」としてずらしながら配置することで、一戸建てに住むような専有感や、多方向に開口がある明るく風通しの良い住環境を実現し、上下階の音問題を解決した。敷地内に設けた通り抜けのできる路地は、住人以外も自由に通ることができ、住人はそこでガーデニングをしたり、趣味の自転車のメンテナンスをしたり、天気の良い日にお茶を飲んだりと自由に使うことができる。それぞれの生活が少し路地にはみだすことで、住人同士のコミュニケーションが自然に生まれることを期待している。

 

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