つつじヶ丘の住宅

敷地は閑静な住宅地にあり、北東側には、作家の自邸であった大きな散策用の公園がある。公園は様々な樹種の高木が生い茂り、季節ごとに違った眺望を楽しむことができる。施主ご家族は、共働きのご夫婦とお子さんが二人で、忙しい平日は家事がしやすく、休日は公園の緑を取り込みながら家族でゆったりとくつろげる住宅を希望された。コンパクトでありながら、それぞれのスペースに独立性を持たせるため、家の平面形を花の形に例え、つぼみの周りに花びらがついているような形をイメージした。2階はその構成がはっきりと感じられ、中心にあるダイニングからは、周囲につく部屋のすべてが見える。反対に周りについている部屋からは、中心を通して対角線状の部屋が見える。声は届くが、姿は見えないような、距離だけでは計れないそれぞれの居場所ができた。1階はプライベートなスペースのため、天井高さを押さえて落ちついた空間としているが、反対に2階は公園の開放性を取り込むため、天井高さを高くして、床面から180cmまでを壁とし、その上部360度のほとんどを開口部とした。独立性と開放性の両方を兼ねた住宅が暮らしにさまざまなシーンを生んでくれればと思う。

 

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建築概要

所在地東京都調布市

用途住宅

構造/規模木造/地上2階

敷地面積123.99㎡

建築面積47.89㎡

延床面積82.94㎡

竣工年月2013.03

構造設計吉田一成構造設計室

施行

写真新建築社

掲載新建築住宅特集2014年3月号