
築33年の中古マンション3階建ての最上階のスケルトンリフォームである。構造が壁式構造のため、スケルトンになった室内は2枚の躯体壁によってはっきりと3つの空間に仕切られていた。施主は家全体が見晴らしのよい空間になることを希望されており、また、片付けのしやすい収納が必要であったため、雑壁は極力つくらずに物を収納する家具を置くことによって、全体をゆるやかにつなげながら、それそれのスペースをつくる計画を提案した。空間をシンプルに広く見せたかったため、仕上げの種類を減らし、躯体の壁2枚は左官仕上げ、躯体壁と同方向の界壁は鮮やかな色で塗装することによって、壁がレイヤのように重なって見え、家の端から端までを感じられる奥行きのある空間となった。
既存コンクリートの壁を跨ぐように設置されたシナ合板の収納家具。一番奥の壁はブルー色に塗装。
収納家具のリビング側には鏡が設置されています。ダンスの練習をしたり、姿見に使用したりします。

書斎。ブルーに塗装された壁面には可動棚が壁面いっぱいに設置されています。
洗面スペースからトイレ方向を見る。奥にあるトイレにも自然光が入るように、欄間ガラスなどを効果的に利用しています。
玄関はテラコッタタイル敷き。上部は欄間として天井を連続させ、拡がりを作り出しています。

奥様専用の化粧スペース(手前)からキッチン方向(右奥)をみる。床はミャンマーチークの無垢材です。
建築概要
所在地:東京都渋谷区
用途:住宅
構造/規模:RC造3階建ての3階部分
延床面積:72.00m²
竣工年月:2013.08
施行:東山工務店
写真:川辺明伸